食道静脈瘤が破裂すると緊急治療です

食道静脈瘤が破裂すると緊急治療です

【食道静脈瘤とはEsophageal varix
食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)は、肝硬変(かんこうへん)や慢性肝炎、
門脈(もんみゃく)や肝静脈の狭窄(きょうさく)・閉鎖によって門脈圧が上昇した結果、食道の粘膜下層の静脈が瘤状に拡張して、蛇行する病気です。
食道静脈瘤がさらに進むと、突然破裂することがありますが、これが「食道静脈瘤破裂」と
呼ばれる状態です。
食道静脈瘤が破裂すると、吐血や下血が起こり死に至るので、緊急治療を要します。

 

 

【食道静脈瘤の症状】Symptom
食道静脈瘤も胃静脈瘤も、それ自体は無症状です。
また、肝炎や肝硬変になっても、相当ひどくなるまで気がつかずに生活している方もたくさんいらっしゃいます。
そこで、破裂して、突然、大量の血を吐いて初めて気づくことが多いのがこの病気の厄介なところです。
また、時には便が黒いタール便となって出血に気づき、検査で発見する方がいらっしゃったり、敏感な方では、食べ物や飲み物などが飲み込みにくくなったり、胸がつかえたような感じがして検査をし、発見される場合もあります。

 

 

【食道静脈瘤の検査と診断】Checkup
食道静脈瘤の診断の第一は内視鏡検査です。
内視鏡検査では、食道静脈瘤の存在の有無、存在した場合はどのような形の静脈瘤がどこにあり、色調は白いか青いかや赤色所見があるかどうか――などを確認します。
また、出血している場合には、出血の箇所が確かに食道静脈瘤からであることも確認します。
その他、超音波検査(エコー検査)、CT検査、超音波内視鏡検査、血液検査――なども行います。

 

 

【食道静脈瘤の原因】Cause
私たちの胃や腸の血液は、集って門脈へ流れ込み、これが肝臓を通って心臓へ戻っています。
そして、腸で吸収した栄養成分は肝臓を通過する際に処理されて、人間の身体で使えるものに変えて蓄えられたり、身体に害ある物質は肝臓で解毒されるというシステムになっています。

 

例えば、肉を食べた場合、胃液中のペプシンや膵臓から分泌されたトリプシンというタンパク質分解酵素が肉をアミノ酸に分解し、腸で吸収されて血液とともに門脈を経て肝臓に送られて肝臓で再合成されて人間の細胞を作るためのタンパク質が作られます。
また、コメや糖類などのデンプンはブドウ糖に分解され肝臓でグリコーゲンとなり肝臓に蓄えられます。
腸で吸収されたアンモニアなどの身体に有害な物質は肝臓で解毒される――といった具合です。
このように、胃や腸の血液は通常は肝臓を通っているのですが、肝硬変や慢性肝炎になると血液が通りにくくなってしまいます。門脈や肝静脈が狭窄したり閉塞した場合も、同様に血液が停滞して門脈圧が高くなってしまいます。すると、血液は別の血管を通って心臓にもどろうとするのですが、その血管のひとつが食道や胃の粘膜下層にある細い食道静脈で、戻る血液の量が多くなるとだんだん太くなって食道静脈瘤や胃静脈瘤となるわけです。そして、食道などの消化管は、毎日食べ物が通るので、静脈瘤が大きくなると破裂して大出血を起こすことになります。
また、食道静脈瘤は、食事をした時以外にも、咳をしたりして刺激が加わっただけで破裂することもあります。

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